費用・補助金
こんなにあるの!?不動産の7つの税金
不動産を売る・買う・譲る・持ち続けるときにかかる税金は7種類あります。
印紙税・登録免許税・不動産取得税・固定資産税・贈与税・譲渡所得税・住民税を、払う時期と払う人で整理しました。
不動産の税金は、種類が多くて分かりにくいものです。
不動産を売る、買う、譲る、持ち続ける。
そのどこかで、次の7つの税金のどれかがかかります。
この記事は、税金の種類と全体の流れをつかんでいただくためのものです。
実際の税額や、特例が使えるかどうか、申告の方法などの詳細は、税理士にご確認ください。
ご希望がありましたら、当社から税理士をご紹介致します。
| 税金 | 納める先 | かかるとき | 払う人 |
|---|---|---|---|
| ①印紙税 | 国 | 売買の契約書を作るとき | 売る方・買う方(それぞれが持つ契約書の分) |
| ②登録免許税 | 国 | 名義を変える登記をするとき | 名義を受け取る方(売買では買う方が一般的) |
| ③不動産取得税 | 都道府県 | 不動産を手に入れたあと(一度だけ) | 買った方・受け取った方 |
| ④固定資産税(区域によっては都市計画税も) | 市町村 | 持っているあいだ、毎年 | 毎年1月1日に持っている方 |
| ⑤贈与税 | 国 | ただで受け取ったとき | 受け取った方 |
| ⑥譲渡所得税 | 国 | 売って利益が出たとき | 売った方 |
| ⑦住民税 | 都道府県・市町村 | 売って利益が出たとき(譲渡所得税と一緒に) | 売った方 |
相続で受け継いだときは、このほかに相続税がかかることがあります。
ただ、基礎控除(3,000万円+600万円×相続人の数)より遺産が少なければかからないため、この記事では扱いません。
以下、起きる順番に沿ってご説明します。
契約書を作るとき:①印紙税(国税)
売買の契約書には、金額に応じた収入印紙を貼ります。
売る方と買う方がそれぞれ1通ずつ持つなら、自分が持つ分の印紙代を、それぞれが負担するのが一般的です。
不動産の売買の契約書は、税額が軽くなる特例があります(2027年3月31日までに作る契約書)。
| 契約書の金額 | 印紙税(特例の額) |
|---|---|
| 50万円を超え100万円以下 | 500円 |
| 100万円を超え500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円を超え1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円を超え5,000万円以下 | 1万円 |
紙ではなく電子契約で交わす場合は、印紙税はかかりません。
名義を変えるとき:②登録免許税(国税)
売買・贈与・相続で名義を変える登記(所有権移転登記)をするときに、法務局に納めます。
司法書士に頼む場合は、報酬と一緒に司法書士に渡し、司法書士が納めます。
税額は、固定資産税評価額に税率をかけて計算します。
| 名義が変わる理由 | 税率 |
|---|---|
| 相続 | 0.4% |
| 贈与 | 2% |
| 売買(土地) | 2%(軽減措置で1.5%とされている期間があります) |
| 売買(建物) | 2%(自分が住む家などは軽減措置があります) |
軽減措置には期限があり、延長されることもあります。
実際の税率は、登記するときに確かめます。
売買では、一般に買う方が負担します。
売る方は、抵当権を外す登記(抹消登記)や、登記簿の住所を今の住所に直す登記があれば、その分を負担します。
手に入れたあと:③不動産取得税(都道府県税)
不動産を買ったり、ただで受け取ったりしたあと、一度だけかかる県の税金です。
登記が終わってから数か月後に、県から納税通知書が届きます。
忘れた頃に届くので、驚かれる方が多い税金です。
- 税率は原則4%。
土地と住宅は3%です(2027年3月31日まで) - 宅地は、固定資産税評価額の2分の1に税率をかけます(同じく2027年3月31日まで)
- 相続で受け継いだときは、かかりません
- 自分が住む家などには、評価額から一定額を差し引く軽減があります
持っているあいだ:④固定資産税(市町村税)
毎年1月1日の時点で不動産を持っている方に、市町村がかける税金です。
使っていない空き家でも、毎年かかります。
- 税率は標準で1.4%です
- 住宅が建っている土地は、税額が軽くなる特例があります(200㎡までの部分は6分の1)
- 手入れされていない空き家として市から勧告を受けると、この特例が外れ、土地の税額が上がります
市街化区域など、市町村が決めた区域にある土地と建物には、都市計画税(市町村税)もかかります。
税率は上限0.3%で、固定資産税と一緒に納めます。
当社の対応エリアでは、諫早市が課税しています(※2026年10月1日時点)。
ご自身の土地がかかる区域かどうかは、固定資産税の納税通知書に都市計画税の欄があるかで分かります。
年の途中で売買した場合も、その年の納税通知書は1月1日の持ち主に届きます。
そのため売買では、引渡しの日を境に、その年の分を日割りで精算するのが一般的です。
ただで受け取ったとき:⑤贈与税(国税)
不動産をただで受け取った方にかかる税金です。
売れる値段ではなく、国の決まった評価額で計算します。
- 土地は路線価、または固定資産税評価額に決まった倍率をかけた額です
- 建物は固定資産税評価額です
- その年に受け取ったほかの贈与と合わせて、110万円を超えた分にかかります
- 評価額の低い土地では、かからないことも多くあります
親から子への贈与なら、「相続時精算課税」を選ぶ方法もあります。
2,500万円まで贈与税がかからず、そのかわり相続のときに相続税で精算する仕組みです。
どちらが得かは家族の財産によって違うので、税理士に相談して決めます。
相手が会社(法人)の場合は、ただで譲った側にも、時価で売ったものとして税金がかかることがあります。
売って利益が出たとき:⑥譲渡所得税(国税)と⑦住民税
不動産を売って利益が出たときに、売った方にかかります。
譲渡所得税と住民税は、セットで計算します。
利益と税率の計算
売った値段 -(取得費+売るときにかかった費用)= 利益(譲渡所得)
- 取得費は、その不動産を買ったときの値段です。
相続した不動産は、亡くなった方が買ったときの値段を引き継ぎます - 買ったときの値段が分からない場合は、売った値段の5%を取得費として計算します。
古くからある実家では、こちらになることが多いです - 売るときにかかった費用は、仲介手数料や印紙税などです
税率は、持っていた期間で変わります。
売った年の1月1日に5年を超えて持っていたかどうかで分かれ、相続した不動産は亡くなった方が持っていた期間も含めます。
| 持っていた期間 | 所得税(復興特別所得税を含む) | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 5年を超える(長期) | 15.315% | 5% | 20.315% |
| 5年以下(短期) | 30.63% | 9% | 39.63% |
住民税は、県と市町村の分を合わせた率です。
ただし、同じ「家を売る」でも、自分が住んでいる家(自宅)かどうかで、税金は大きく変わります。
住まいを売って次の住まいへ移る人の負担を軽くするため、自宅を売る場合にだけ使える特例がいくつもあるからです。
ここからかなり複雑な話になります。
覚悟してください笑
自宅(自分が住んでいる家)を売る場合
ここでいう自宅は、売る人本人が住んでいる家です。
住まなくなった家でも、住まなくなってから3年目の年末までに売れば、自宅として扱われます。
-
利益から最高3,000万円を差し引けます
-
10年を超えて持っていた自宅なら、税率が下がります。
通常は利益の約20%(20.315%)ですが、約14%(14.21%)になります。10年を超えるかどうかは、売った年の1月1日の時点で数えます。
たとえば2016年3月に手に入れた家は、2026年中に売ると1月1日の時点で9年10か月なので対象外、2027年に入ってから売れば10年を超えるので対象になります。
利益が6,000万円を超える場合、超えた部分は通常の税率です -
売って損が出たときは、条件に合えば、その損を給与などのほかの所得から差し引けます
3,000万円の特例と、10年を超えたときの税率の引き下げは、一緒に使えます。
ただし、親子や夫婦など身内に売る場合は使えません。
自宅以外の家や土地を売る場合
ここでいう「自宅以外」には、親から相続した実家も含まれます。
「実家=自分の家」と思われがちですが、税金の上では、売る人本人が住んでいなければ自宅ではありません。
自宅以外は、原則として特例がありません。
利益にそのまま、上の表の税金がかかります。
売って損が出ても、ほかの所得から差し引けません。
どんなものがあるのか?と、それぞれの注意点です。
- 相続した実家(自分は住んでいない空き家):1981年5月31日以前に建てられた家(旧耐震の家)で、亡くなった方のほかに住んでいた人がいないことなどの条件を満たせば、自宅以外でも、利益から最高3,000万円を差し引ける特例が使えます。
条件が細かいので、別のコラムにまとめました - 別荘・週末だけ使う家:自宅にはあたらず、特例は使えません
- 人に貸している家・アパート:特例は使えません。
貸していたあいだに建物の値打ちが減った分(減価償却)を取得費から差し引くので、思ったより利益が大きく出ることがあります - 土地だけ(空き地・畑・山林など):特例は使えません。
古くからの土地で取得費が分からない場合は、売った値段の5%で計算するので、利益の大半に税金がかかります
相続した実家に3,000万円の特例が使えるかどうかは、建てた年、同居していた人、自分が住んだかどうかで分かれます。
詳しくは、コラム「相続した実家を売るときの3,000万円の特例、使える?使えない?」をご覧ください。
質問に答えるだけの「セルフチェック」もあります。
利益が出た場合は、売った年の翌年2月16日から3月15日までに確定申告をします。
利益が出なかったときは、原則として申告はいりません。
ただし、3,000万円の特例を使う場合は、税金が0円になっても申告が必要です。
まとめ
- 契約書を作るときは、①印紙税
- 名義を変えるときは、②登録免許税
- 手に入れたあと一度だけ、③不動産取得税(数か月後に通知)
- 持っているあいだは毎年、④固定資産税
- ただで受け取ったら、⑤贈与税
- 売って利益が出たら、⑥譲渡所得税と⑦住民税(翌年に確定申告)
売る・譲るの話を進める前に、だれにどの税金がかかるのかを一度確かめておくと、あとで慌てずに済みます。
税額の計算や申告は、税理士の仕事です。
当社では、売却や譲渡の段取りと合わせて、どの税金がかかりそうかを整理し、ご希望がありましたら税理士をご紹介致します。
(※2026年10月1日時点の制度です。
税率や特例の期限は、税制改正で変わることがあります。)
このコラムは2026年10月1日に書きました。
制度や金額は変わることがあります。
本文中の「※〇年〇月〇日時点」もあわせてご確認ください。
ご相談は無料です
このコラムの内容でご不明な点や、ご自身の物件についてのご相談も承ります。
売る・売らないが決まっていなくても構いません。
内容は秘密厳守です。