売れない家や土地を、手放す方法
売りに出しても買い手がつかない。
解体すると、土地の価格より費用のほうが高い。
それでも持ち続けると、固定資産税や管理の手間、近所への責任はずっと続きます。
売れない場合でも、手放す方法はあります。
ただ、どの方法にも費用か条件がつきものです。
持ち続ける費用(固定資産税・管理・草刈り)と、手放すための費用を比べて決めるのが現実的です。 相続人が増えたり、建物が傷んだりすると、選べる方法は減っていきます。
方法 1
値段を下げて売る
広く買い手を探すより、欲しい人がいそうな所にあたります。
隣の方、畑や資材置き場が欲しい近所の方、手を入れて住みたい移住希望の方、空き家をリフォームして貸したい方などです。
かかる費用
売る方(あなた)にかかる費用
- 仲介手数料(800万円以下の空き家などは上限30万円+消費税)
- 登記の費用:抵当権が残っている場合はその抹消、登記簿の住所が今と違う場合はその変更
買う方にかかる費用
- 所有権移転登記費用:登録免許税(国税)、司法書士報酬等。
売買では必ずかかります。
一般には買う方の負担ですが、値段の安い物件では売る方が負担する条件で話がまとまることもあります。
目安として約10万円~程。 - 所有権移転登記の完了後にかかる費用:固定資産税(市税)(毎年1月1日時点で不動産を所有している人に対して、市町村から課税されます。)
条件・注意
- 相続登記が済んでいること
- 相続人全員が売ることに同意していること
向いている場合:まずはここから。
安くても買い手がつけば、いちばん負担が少なく済みます
方法 2
隣の方などに、無償で譲る
値段がつかなくても、隣の方が庭や駐車場として引き取ってくれることがあります。
お金を受け取らない「贈与」になります。
かかる費用
譲る方(あなた)にかかる費用
- 大きな費用はかからないのが一般的です(登記の費用を譲る方が負担すると決めた場合を除きます)
- 相手が会社(法人)の場合は、譲る方に税金がかかることがあります。
事前に税理士にご確認ください
受け取る方にかかる費用
- 所有権移転登記費用:登録免許税(国税。
固定資産税評価額の2%)、司法書士報酬等 - 不動産取得税(県税)(宅地は評価額の2分の1に3%。
2027年3月末までの特例)。
登記が終わってから数か月後に、県から納税通知書が届きます - 贈与税がかかることがあります。
不動産は、売れる値段ではなく国の決まった評価額(土地は路線価、または固定資産税評価額に決まった倍率をかけた額。
建物は固定資産税評価額)で計算し、その年に受け取ったほかの贈与と合わせて110万円を超えた分にかかります。
評価額の低い土地では、かからないことも多くあります - 所有権移転登記の完了後にかかる費用:固定資産税(市税)(毎年1月1日時点で不動産を所有している人に対して、市町村から課税されます。)
条件・注意
- 受け取る相手が見つかること
- 相続登記が済んでいること
向いている場合:隣接していて、相手にとって使い道がある土地
方法 3
国に引き取ってもらう(相続土地国庫帰属制度)
2023年4月に始まった、相続した土地を国に引き取ってもらう制度です。
法務局に申請し、審査に通れば国の土地になります。
ここを勘違いされる方がとても多いです 建物が建ったままでは、国に引き取ってもらえません。
家や小屋が残っている土地は、申請することもできません。
申請の前に、建物を解体して更地にする必要があります。
解体費は所有者の負担です。
かかる費用
手放す方(あなた)にかかる費用
- 審査手数料:土地1筆につき14,000円(通らなくても戻りません)
- 負担金:原則20万円(土地の種類や地域によっては面積に応じて計算し、状況によっては20万円より増えるケースもあります。)
- 建物がある場合は、先に解体する費用
条件・注意
- 相続(または遺贈)で取得した土地であること
- 【最重要】建物が建っていないこと(家・小屋・倉庫などがある土地は申請できません)
- 境界がはっきりしていること、抵当権などが付いていないこと
- 崖や大きな樹木・工作物などで、管理に過大な費用がかかる土地でないこと
向いている場合:売れず、譲る相手もいない更地や山林・農地。
解体の補助金で建物を片付けてから使う組み合わせもあります
方法 4
相続放棄をする
そもそも相続しない、という選択です。
家庭裁判所に申し立てます。
かかる費用
放棄する方(あなた)にかかる費用
- 申立ての書類作成は司法書士または弁護士に依頼(報酬が別にかかります)
条件・注意
- 相続があったことを知った時から、原則3か月以内
- 家や土地だけでなく、預貯金なども含めて、すべての財産を相続しないことになります
- 放棄の時にその家を実際に使っていた(占有していた)場合は、次の人に引き渡すまで壊さないよう保存する義務が残ります
向いている場合:相続が起きてすぐで、ほかに引き継ぎたい財産が無い場合。
時間がたってからでは選べません
方法 5
管理しながら、時期を待つ
すぐに手放せないときは、傷みを止めて、近所に迷惑をかけない状態を保ちます。
建物が傷む前なら、あとで選べる方法が残ります。
かかる費用
持ち続けるあいだ、あなたにかかる費用
- 固定資産税
- 管理費用(当社の空き家管理は月額3,300円・税込から)
- 草刈りなどの作業費
条件・注意
- 持ち続ける間の費用と、近所への責任が続きます
向いている場合:相続人の話し合いが続いている、補助金の募集を待つ、など時間が必要な場合
空き家管理委託 →やってはいけないこと:面倒だからと放っておく
売れない、話がまとまらない、と手を付けずに放っておくのが、いちばん後で困る選択です。
放っておくほど、選べる方法が減っていきます。
- 名義を変えずにいると、代替わりのたびに相続人が増え、話し合いも手続きも難しくなります。 ※重要※ 名義を変えずに放っておくと、相続人が何十人にも増えます →
- 相続登記は2024年4月から義務になりました。
正当な理由なく放っておくと、10万円以下の過料の対象になることがあります。 - 人が住まない家は早く傷みます。
瓦が飛んだり塀が倒れたりして人や隣の家に損害を与えると、所有者が責任を負うことがあります。 - 市から「管理不全空家」「特定空家」として勧告を受けると、土地の固定資産税の特例が外れ、税が上がります。
- 傷みが進むほど解体費は上がり、売れる見込みは下がります。
手放す方法が決まっていなくても、まず名義と相続人を整理しておくだけで、あとで選べる方法が残ります。
どの方法でも、だれかに税金がかかります。
相続した実家を売るときに使える特例は、相続した実家を売るときの3,000万円の特例、使える?使えない? →
種類と払う人は、コラムこんなにあるの!?不動産の7つの税金 →にまとめています。
田んぼや畑は、買える人が法律で決められています。
農地を手放すときの決まりは、コラム相続した田んぼや畑を手放したい。
農地ならではの決まりと手放し方 →にまとめています。
市や町に寄付できないのですか
使い道がない土地は、受け付けてもらえないのが一般的です。 道路や公園などに使う予定がある場合に限られるので、まずは市の担当課に問い合わせることになります。
「費用を払えば引き取る」という勧誘には注意してください
「引き取ります」「管理を代わりに」と言って、高額な費用を先に求める業者もいます。 契約の相手が誰になるのか、登記はどうなるのか、あとから追加の費用がかからないのかを必ず確かめてください。 契約する前であれば、当社でも内容の確認のご相談に応じます。
どの方法が合うかは、この順番で考えます
- 名義と相続人を整理する どの方法を選ぶにも、相続登記と相続人の同意が前提になります。
- 売れる見込みを確かめる 隣の方や近所の方、空き家バンクなど、値段を下げてでも買い手がいるかを探ります。
- 解体するかを決める 解体費と土地の価格、解体の補助金が使えるかを比べます。
- 手放す方法を比べる 譲る、国に引き取ってもらう、管理しながら待つ、を費用と条件で比べます。
登記や相続放棄は司法書士、税金は税理士と連携して進めます。
窓口は当社にまとめられます。
解体してから売るほうがいい、とは限りません →
売れないと言われた家や土地も、ご相談ください
他社で断られた物件、山林や農地、名義が古いままの家も、どの方法が取れるかを一緒に整理します。 ご相談は無料で、内容は秘密厳守です。
手放し方を相談する
(※2026年9月15日時点)法務省などの公式の情報で確認した制度や税の内容です。
個別の条件や税額は、専門家にご確認ください。